健康日本21とは(概要)

「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」
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第一 趣 旨

 健康を実現することは、元来、個人の健康観に基づき、一人一人が主体的に取り組む課題であるが、個人による健康の実現には、こうした個人の力と併せて、社会全体としても、個人の主体的な健康づくりを支援していくことが不可欠である。
そこで、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(以下「運動」という。)では、健康寿命の延伸等を実現するために、2010年度を目途とした具体的な目標等を提示すること等により、健康に関連する全ての関係機関・団体等を始めとして、国民が一体となった健康づくり運動を総合的かつ効果的に推進し、国民各層の自由な意思決定に基づく健康づくりに関する意識の向上及び取組を促そうとするものである。

第二 基本的な方向

1 目的
21世紀の我が国を、すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸及び生活の質の向上を実現することを目的とする。
2 期間
運動の期間は、2010年度までとする。
運動の評価は、2005年度を目途に中間評価を行うとともに、2010年度に最終評価を行い、その評価をその後の運動の推進に反映させる。
3 基本方針
(1)一次予防の重視
人口の高齢化の進展に伴い、疾病の治療や介護に係る社会的負担が過大となることが予想されているので、従来の疾病対策の中心であった健診による早期発見又は治療にとどまることなく、健康を増進し、疾病の発病を予防する「一次予防」に一層の重点を置いた対策を推進する。
(2)健康づくり支援のための環境整備
運動の目的を達成するためには、生活習慣を改善し、健康づくりに取り組もうとする個人を社会全体として支援していく環境を整備することが不可欠である。このため、行政機関をはじめ、医療保険者、保健医療機関、教育関係機関、マスメディア、企業、ボランティア団体等の健康に関わる様々な関係者がそれぞれの特性を生かしつつ連携することにより、個人が健康づくりに取り組むための環境を整備し、個人の健康づくりを総合的に支援する。
(3)目標等の設定と評価
運動を効果的に推進するためには、健康づくりに関わる多くの関係者が健康状態等に関する情報を共有しながら、現状及び課題について共通の認識を持った上で、保健医療上の重要な課題を選択し、科学的根拠に基づいて、取り組むべき具体的な目標を設定する必要がある。また、目標に到達するための具体的な諸活動の成果を適切に評価して、その後の健康づくり運動に反映できるようにする必要がある。
(4)多様な実施主体による連携のとれた効果的な運動の推進
個人による選択を基本とした、生活習慣の改善等の国民の主体的な健康づくりを支援するためには、国民に対する十分かつ的確な情報提供が重要である。このため、マスメディア等による広範な情報伝達手段や保健事業を活用した個別健康教育等の、多様な経路により、それぞれの特徴を生かしたきめ細かな情報提供を推進する必要がある。
また、地域住民全体に対する働きかけと生活習慣病を発症する危険度の高い集団への働きかけとを適切に組み合わせる等により、対象者の特性やニーズ等を十分に把握しながら、運動を効果的に推進することに配慮することが重要である。
さらに、こうした視点に基づき、現在実施されている老人保健事業と医療保険者等による保健事業とが相互に連携しつつ、効率的かつ一体的に実施される必要がある。

第三 目標等について

1 性格
運動の目標等は、別表に記載されたものであるが、これは健康日本21企画検討会・計画策定検討会、地方公聴会、地方シンポジウム等における広範な議論の中で、多数の専門家及び関係者が情報を共有するとともに、現状及び課題について共通の認識を得る過程を経て提示された指標とその評価の目安である。
国は広く関係者等に対して目標等を普及するとともに、継続的に健康指標の推移等を調査、分析し、その結果に関する情報を還元することにより、関係者をはじめ広く国民一般の自由な意思決定に基づいた意識の向上及び自主的な取組を支援するものである。
運動の目標等は、全国レベルのものであるので、地方公共団体等のそれぞれの運動の実施主体においては、運動の目標等を参考に、それぞれの実情に応じて、関係者間で共有されるべき目標等が設定されるべきである。
なお、個人の健康づくりの目標は、上記の目標等を参考としつつ、個人が自らの健康状態や健康観に基づき、生活上の創意工夫をこらして、個別具体的に設定すべきものである。
また、今回提示した目標等については適宜、拡充若しくは見直しを行うこととしている。
2 設定の考え方
(1)栄養・食生活
栄養・食生活は、多くの生活習慣病との関連が深く、また、生活の質との関連も深い。
目標は、適正な栄養素(食物)の摂取、適正な栄養素(食物)の摂取のための個人の行動及び個人の行動を支援するための環境づくりの3段階に分けて設定する。
(2)身体活動・運動
身体活動・運動には、生活習慣病の発生を予防する効果があり、健康づくりの重要な要素である。
目標は、日常の生活における身体活動に対する意識、運動習慣等について、成人及び高齢者に分けて設定する。
(3)休養・こころの健康づくり
こころの健康は、生活の質を大きく左右する要素である。
目標は、ストレスの低減、睡眠の確保及び自殺者の減少について設定する。
(4)たばこ
たばこは、がんや循環器病など多くの疾患と関連があるほか、妊娠に関連した異常の危険因子である。
目標は、たばこの健康影響についての十分な知識の普及、未成年者の喫煙防止(防煙) 、受動喫煙の害を排除し、減少させるための環境づくり(分煙)、禁煙希望者に対する禁煙支援について設定する。
(5)アルコール
アルコールは、慢性影響としての臓器障害等の健康に対する大きな影響を与えるものである。
目標は、多量飲酒者の減少、未成年者の飲酒防止及び節度ある適度な飲酒についての知識の普及について設定する。
(6)歯の健康
歯の喪失の防止は、食物の咀嚼のほか、食事や会話を楽しむ等による、生活の質の確保の基礎となるものである。また、う蝕及び歯周病は、歯の喪失に繋がるため、その予防が重要である。
目標は、歯の喪失の原因となるう蝕及び歯周病の予防、歯の喪失防止について設定する。
(7)糖尿病
我が国の糖尿病患者数は、生活習慣と社会の変化に伴って、急速に増加している。また、糖尿病はひとたび発症すると治療は困難であり、放置すると重大な合併症を引き起こすことが多いことから、生活の質の低下等を招いている。
目標は、糖尿病の一次予防の推進を図る観点から、生活習慣の改善、糖尿病有病者の早期発見及び治療の継続について設定する。あわせて、生活習慣の改善が糖尿病有病者の減少に及ぼす影響について推計する。
(8)循環器病
循環器病は我が国の主要な死亡原因の一つであるとともに、後遺症のために生活の質の低下を招く大きな原因となっている。
目標は、循環器病の一次予防の観点から、生活習慣の改善及び循環器病の早期発見について設定する。あわせて、生活習慣の改善が循環器病による死亡率等の減少に及ぼす影響について推計する。
(9)がん
がんは、我が国最大の死亡原因であり、総死亡の約3割を占めている。
目標は、がんの一次予防の推進を図る観点から、生活習慣の改善、がんの検診の受診者等について設定する。

第四 地域等における健康づくり運動の推進について

1 計画の策定
運動を効果的に推進するために、各地域等において、住民、健康に関連する多様な関係機関及び関係団体等の参加を得て、地域等の実情に応じた健康づくりの推進に関する具体的な計画(以下「地方計画」という。)が策定される必要がある。
特に、都道府県は、市町村、医療保険者、学校保健関係者、職域保健関係者等の一体的な取組を推進する観点から、地方計画の策定及びこれらの関係者との連携の強化について、中心的な役割を果す必要がある。
また、都道府県又は市区町村において、地方計画を策定する際には、既存の地域保健医療計画又は老人保健福祉計画等との調和に配慮するとともに、それぞれが既に策定している基本計画又は総合計画の中に地方計画を位置付けることが求められる。
なお、地方計画の策定等に係る具体的な立案の方法等については、別添の「健康日本21企画検討会・計画策定検討会報告書」を参照されたい。
2 推進体制の整備
運動の推進に当たっては、関係機関及び関係団体等が調整のとれた取組を継続的に実施していくことが不可欠であり、そのためには、医療保険者、保健医療機関、教育関係機関、マスメディア、企業、ボランティア団体等の広く健康に関連する関係機関及び関係団体等から構成される中核的な推進組織を設置し、この効果的な運用を図ることが重要である。その際には既存の組織を有効に活用し、その機能を拡充強化することも考慮すべきである。
また、保健所は管内における関係機関、関係団体等の連携を推進するための中核機関としての役割を担うとともに、健康情報の収集、分析及び提供並びに市町村に対する技術的支援等を通じ、管内の運動の拠点としての役割を担う必要がある。
3 国の支援
国は地域等における取組を支援するため、次のような取組を実施するほか、必要な財政的支援を行う。
(1)全国的な推進体制の整備
広く関係者が協力して、継続的に運動を進めるため、国、地方公共団体、各種健康関連団体等により構成する健康日本21推進全国会議を設置するなど運動の中核となる体制を整備する。
(2)多様な経路による普及啓発の実施
運動に対する国民及び関係者の理解を深めるため、マスメディアを活用した広報、健康づくり支援者(ボランティア)の育成等の様々な方法による普及啓発を実施する。
(3)地域等における地方計画の策定等に対する技術的支援
地方計画の策定及び保健事業推進に係るマニュアルの作成配布や各種統計資料のデータベースを構築し、地方計画の策定等の際に利用できるようにする。
(4)調査研究の推進及び人材の確保等
運動の効果的な推進を図るための健康教育に係る手法の開発等に関する調査及び研究を推進するとともに、健康づくり対策を推進するための保健婦、保健士、管理栄養士等の確保や健康づくり関連のボランティア組織の支援に努める。
(5)各種保健事業の連携の推進
生涯を通じた効率的で一貫性のある保健事業の実施を図るため、老人保健事業や医療保険者等による保健事業が相互に連携しつつ実施されるよう、連絡調整組織の設置等の事業間の連携を円滑に進めるための共通の基盤づくりを推進する。

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